TL431 電圧リファレンス データシート、機能、ピン配置、およびアプリケーション

TL431 は、多くのアナログおよびデジタル アプリケーションで電圧リファレンスとして機能する、広く使用されている調整可能な高精度シャント レギュレータです。幅広い範囲で調整可能な安定した出力電圧を提供するため、電源、バッテリ チャージャ、電圧レギュレーション回路などのアプリケーションに最適です。この記事では、TL431 電圧リファレンス IC の包括的な概要を、その機能、仕様、および実際のアプリケーションに焦点を当てて説明します。

TL431 の概要

TL431 シリーズは、自動車、商業、軍事環境で一般的に見られるさまざまな温度範囲にわたって安定したパフォーマンスを発揮することで有名な、3 端子の調整可能なシャント レギュレータです。ユーザーは、外部抵抗器のペアを使用して、約 2.5 ボルトから最大 36 ボルトまでの基準電圧から出力電圧を較正できます。標準出力インピーダンスがわずか 0.2 オームのこれらのレギュレータは、鋭い起動特性を示します。このため、オンボード レギュレータ、適応型電源、スイッチ モード電源など、さまざまな設定でツェナー ダイオードの代替として特に効果的です。

これらの TL431 デバイスは、3 つの精度カテゴリで提供されており、25°C での初期精度グレードは、グレード B、A、標準でそれぞれ 0.5%、1%、2% です。温度変化に対する出力電圧の安定性は、動作温度範囲全体にわたって信頼性が高いことを示しています。

温度固有のアプリケーション向けに、TL43xxC モデルは 0°C ～ 70°C で動作するように設計されています。TL43xxI バージョンは –40°C ～ 85°C に適しており、TL43xxQ ラインは –40°C ～ 125°C で最適に機能します。

TL43xx シリーズは、電源管理と信号パスの役割での幅広い用途を超えて、高精度の電圧リファレンスやオペアンプなどの重要なコンポーネントを統合しています。これらのコンポーネントはアナログ回路機能にとって重要であり、TL43xx は電圧リファレンス、エラー アンプ、電圧クランプ、または内蔵リファレンスを備えたコンパレータとしてシームレスに機能します。デバイスの柔軟性は明らかで、2.5V ～ 36V のカソード電圧を処理できるため、産業、自動車、通信、コンピューティングの各分野のさまざまなアプリケーションに最適です。シャントレギュレータまたはエラーアンプとして使用するには、1mA を超える最小カソード電流が必要です。カソード ピンと Ref ピンの間にフィードバックを適用することで、デバイスは内部基準電圧を効果的にミラーリングできます。標準温度条件での初期精度を示すために、接尾辞 B (0.5%)、A (1%)、空白 (2%) でマークされたいくつかの精度バリエーションが用意されています。

TL431 の特性

• 25°Cでの基準電圧の精度:
  • Bグレードで0.5%
  • Aグレードで1%
  • 標準版で2%
• 出力電圧範囲: 基準電圧から最大36Vまで調整可能
• 動作温度範囲: -40°Cから125°C
• 温度変化による典型的な電圧偏差 (TL43xB シリーズ):
  • C温度グレードで6mV
  • IおよびQ温度グレードで14mV
• 低出力ノイズ
• 典型的な出力インピーダンスは0.2オーム
• シンク電流容量: 1mAから100mAまで

TL431 ピン配置

TL431 機能ブロック図

TL431 の用途

ラック サーバー電源

TL431 は、ラック サーバーの電源回路で広く使用されています。その正確な電圧リファレンスとシャント レギュレータ機能により、サーバーのパフォーマンスを維持するために不可欠な、安定した信頼性の高い電力分配が可能になります。複数の出力電圧を調整して、敏感なサーバー コンポーネントに一貫した電力が供給されるようにするのに役立ちます。これは、システムの信頼性とデータの整合性にとって重要です。

産業用 AC/DC

産業環境では、TL431 は AC/DC 電源システムで重要な役割を果たします。変換プロセスを高効率かつ正確に管理し、産業機械が安全な電気パラメータ内で動作することを保証します。その堅牢な設計は産業環境の過酷な条件に適しており、自動組立ラインや制御システムなどの機器で信頼性の高いパフォーマンスを提供します。

AC インバータと VF (可変周波数) ドライブ

このデバイスは、電気モーターの速度とトルクを制御するために使用される AC インバータと可変周波数ドライブの動作に役立ちます。 TL431 は、モーター速度を動的に調整するために必要な電力変換の正確な制御を支援し、HVAC システムや産業用モーター制御などのアプリケーションでエネルギー効率とパフォーマンスを向上させます。

サーボ ドライブ制御モジュール

サーボ ドライブ制御モジュールの場合、TL431 は重要な電圧調整と安定化を提供します。負荷と入力電力の変動にもかかわらず、正しい電圧レベルを維持することで、サーボ モーターがスムーズに動作することを保証します。この精度は、ロボット工学や精密加工ツールなど、高い精度と応答性を必要とするアプリケーションにとって不可欠です。

ノートブック PC 電源アダプターの設計

ノートブック PC 電源アダプターの設計では、TL431 は、コンパクトで効率的で安全な電源ソリューションに貢献する能力が高く評価されています。アダプターからノートブックへの出力電圧を調整し、不安定な電源供給や潜在的な損傷から繊細なコンピューター コンポーネントを保護します。TL431 の役割は、電源アダプターの寿命を延ばし、ユーザーの安全を確保する上で極めて重要です。

これらのアプリケーションは、TL431 の汎用性と、さまざまな技術および産業分野にわたる電力管理における重要な役割を強調しています。この電圧レギュレータ IC は、電子システムのパフォーマンスと安全性の向上に不可欠な役割を果たします。

コンパレータ アプリケーション回路図

シャントレギュレータ回路図

TL431 パッケージ

TL431 は、TO-92、SOT-23、SOIC など、複数のパッケージ オプションで利用できます。これらのパッケージはボード レイアウトの点で柔軟性があり、設計者はサイズと放熱要件に基づいてアプリケーションに最適なオプションを選択できます。

TL431 メーカー

TL431 シリーズは、Texas Instruments、ON Semiconductor、STMicroelectronics などの複数の半導体企業によって製造されており、幅広い可用性と一貫した品質が保証されています。これらのメーカーは、幅広いアプリケーションのニーズを満たす、信頼性が高くコスト効率の高い電圧リファレンス IC を製造することで知られています。

TL431 データシート

TL431 データシートには、電気特性、ピン構成、熱性能、設計ガイドラインに関する詳細情報が記載されています。設計者は、データシートを参照して、TL431 を回路に統合してパフォーマンスを最適化する方法についての正確な手順を確認できます。

TL431 とその他の電圧リファレンス IC の比較

• TL431 と LM4040: LM4040 は固定精度の電圧リファレンスで、温度によるドリフトが非常に低いですが、TL431 のような調整可能な出力がありません。TL431 は柔軟性が高く、設計者は広範囲にわたってリファレンス電圧を設定できます。
• TL431 とツェナー ダイオード: ツェナー ダイオードは固定電圧リファレンスを提供しますが、TL431 は調整可能な電圧、より高い精度、さまざまな負荷にわたる優れた安定性を実現し、多くのアプリケーションでより汎用性の高い選択肢となっています。
• TL431 と TLV431: TLV431 は TL431 の低電圧、低電力版で、低電圧、バッテリ駆動のアプリケーションに適しています。ただし、TL431 はより広い電圧範囲とより高い電流能力を提供します。

結論

TL431 電圧リファレンス IC は、さまざまな電子アプリケーションで安定した調整可能な電圧リファレンスを提供するための、多用途でコスト効率の高いソリューションです。高精度、広い出力電圧範囲、低消費電力により、電源調整、バッテリー充電器、LED ドライバー、電圧監視システムに最適です。TL431 は、民生用電子機器や産業用制御システムで使用する場合でも、さまざまな環境で信頼性の高い電圧調整とパフォーマンスを保証します。